
「中小企業のサイバーセキュリティ入門」最終回は、パソコンの異常や情報漏えいの可能性に気づいたとき、最初に行う社内連絡についてご案内します。
読了目安:約3分
POINT
今回のポイント
- 異変を見つけた人が、一人で原因を判断する必要はありません
- 不用意な操作を続けず、気づいた状況を記録して報告します
- 社内責任者と保守事業者の連絡先を、平時に決めておきます
どのような異変を報告するのか
突然ファイルが開けない、身に覚えのないメールが送信されている、不審な警告が表示された、宛先を間違えて情報を送った――こうした出来事は、セキュリティ上の問題につながる可能性があります。
セキュリティ事故や、その可能性がある出来事は「インシデント」と呼ばれます。故障か攻撃か判断できない場合も、一人で解決しようとせず、決められた相手へ早めに報告します。
まず状況を記録して連絡する
IPAの手引きでも、疑わしい兆候や実際の発生を見つけた場合、情報セキュリティ責任者へ報告することが基本とされています。
報告するときは、次の2点を伝えられるようにします。
- いつ、どの端末やサービスで気づいたか
- 画面表示や行った操作など、何が起きたか
画面の撮影や表示文言のメモは、後の確認に役立つ場合があります。むやみに再起動や削除を行うと記録が失われる可能性があるため、操作は社内責任者や保守事業者の指示に従います。
感染が疑われる端末をネットワークから切り離す場合もあります。対応は状況により異なるため、平時に保守事業者と手順を確認しておきましょう。
異変に気づいたら、一人で判断せず、状況を記録して決められた相手へ連絡します。
連絡先を紙でも確認できるようにする
社内メールが使えない状況に備え、経営者、社内責任者、保守事業者など、連絡する相手と順番を決め、電話番号を紙でも確認できるようにします。
IPAは企業・組織向けの相談窓口や届出先を案内しています。取引先や関係機関への連絡が必要な場合は、経営者を含む体制で判断します。
THIS WEEK
今週のアクション
今週は、次の1点を確認してください。
「パソコンの異常や情報漏えいの可能性に気づいたとき、最初に誰へ、どの方法で連絡するか」
決めた連絡先を従業員へ共有し、メールや社内システムが使えない場合でも確認できるようにしておきましょう。
全5回のまとめ
全5回、お読みいただきありがとうございました。
全5回で確認したことを、すべて一度に整える必要はありません。できることから一つずつ、社内の習慣にしていきましょう。
シリーズを振り返る
- なぜ中小企業も狙われるのか――「うちは関係ない」の落とし穴
- まず確認したい、多要素認証と使っていないアカウント
- 「振込先が変わりました」――そのメール、本物ですか?
- 取引先から突然「対策状況を教えて」と言われたら
- パソコンの異常や情報漏えいに気づいたら、最初にすること(本記事)
これまでのメールマガジンでご紹介した内容は、当組合ウェブサイトの「中小企業支援制度の記事一覧」でもご覧いただけます。
参考情報
組合員の皆さまへ
情報セキュリティ対策は、業種や企業規模を問わず、日頃からの備えが重要です。
異常時の連絡手順を確認するきっかけとして、本記事をご活用ください。